Word of Mouse

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『バケモノの子』チコは一体何者なのか!?正体を考察してみた

 前回辛口評価をしたバケモノの子、ですが、今回は「チコ」に焦点を絞って考察してみたいと思います!

 

バケモノの子 ぬいぐるみ(チコ)
 

 

※大きくネタバレしているので注意

 

 

バケモノの子を見終わった後に気になるのが、ネズミの子どものような容姿のキュートなキャラ「チコ」。

 

まず、これはほぼ確実といえるのは、「チコは母親を象徴する存在(生まれ変わり)である」ということでしょう。

九太が熊徹との修行に行き詰った時に、チコがピョンピョン跳ねたりした後、母親の声が九太に聞こえるシーンが複数回あったことが根拠になっています。

 

そして、ここからはもう一歩踏み込んだ独自の考察なのですが、チコは久太にとっての「光」なんじゃないかな~と思うのです。

 

細田守監督のインタビューによると、『おおかみこどもの雨と雪』では「子どもを育てるお母さんというのは大変な思いをして育てている、それが素晴らしい」というテーマを描き、今回の『バケモノの子』では「子どもがこの世の中で、どうやって成長して大きくなっていくのだろう」というテーマに取り組んでいるのです。

 

一郎彦と競技場で対峙した時に、闇に飲み込まれそうになった久太を押さえつけたのはチコでしたよね。たとえば、実社会でも子どもが犯罪に走ってしまうのを食い止めるのは母親の存在が重要な場合は少なくないでしょう。

 

息子(九太)の闇堕ちを食い止める母(チコ)があの一瞬には描かれており、そして子どもにとって母が光である、というメッセージ性があるんです。この光がないと、子どもは健全に育つことはできない、という信念が細田監督にはありそうです。

 

そしてクライマックスの一郎彦と対峙するシーンで、チコは九太の頭からふっとばされ、楓がキャッチします。

もうお気づきかと思いますが、これは「光としての役割が、母(チコ)から楓に譲渡された」という暗喩になってるんじゃないでしょうか。

 

このチコが九太の頭からふっとばされる、というのはいわゆる「母親からの自立」です。男の子が成長するにあたって、母との関係性が変わる瞬間が巧妙に(いや、かなりわかりやすく?)仕組まれたシーンですね。そして幼いころは母に与えられてきた愛を、今後は恋人になるであろう楓から与えられるようになる。

 

熊徹とチコの役割は細田守の考える父親像・母親像をそれぞれ投影していると思うので、その目線で見直すと面白いかもしれないですね!^^

 

参考リンク

wordofmouse.hatenablog.com

irohasu01.biz

細田守監督インタビュー|「バケモノの子」公式サイト